第3章  何の勘違い?(続き)

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しかし、それだけ私の神経が磨り減るのは言わずもがな。 そうして夕方を迎える頃、ようやくチェックを終え、 私は、コンクリートに囲まれた場所から外に出てきた。 はぁ……。 ただでさえ注文の多いクライアントの、 更に細かい注文が入った住宅部だけに、思った以上にダメ出しが多くなった。 お蔭で、もう神経が、くたびれた糸くらいに磨り減っている。 そしてそれを淡い溜息にした私は、 駅への道を戻りかけて、ふっと少し先の看板に目を止めた。
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