司令官なき部隊

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司令官なき部隊

基地内の空気がここ最近ピリピリしている。それもそのはず、BIGBOSSが帰ってくるのだ。2週間前にミラー副司令はそれを俺に伝え、他のみんなに伝えろと言い残して何処かへ向かった。もう1人の参謀、オセロットもいないので、完全に司令官がいない。 そこに神妙な顔をした2人がこちらに来た。オリバーとディビッドだ。 最初に口を開いたのは、「ボスが…ボスが帰ってくる。いつなんだろう…ああ、緊張する…」ディビッドだった。意外にもオリバーはかなり緊張して、最近は話をしない。 「大丈夫だって!ボスはユーモアあるぞ!9年前なんて、俺たちがダンボールで戦車をふざけ半分で作ったら、本気で感謝されたよ!バナナ1本で敵拠点を制圧したりしたんだぜ??」 そう言ったらいつの間にか近くにいた他の仲間達が笑っていた。 「すげーなボス!」「ダンボールの戦車とか考えたことなかったわ。たかがダンボールに礼を言うボスも仲間想いだな!」「バナナで拠点制圧ってどうやるんだ…?」 いや、かなり本気で感謝されたんだが…2人用と言ったらもう1人連れて潜入したし… そこまで考えて彼はある人物を思い出した。 ジョン。彼はかつてレナードが所属していたBIGBOSSの部隊、通称「MSF」で1番優秀な兵士だった。実践を筆頭に研究開発や糧食班ではレトルトカレーを開発、ある時は諜報班として活躍、そしてあの惨劇の時は医療班のメディックとして…様々な事をこなせるので、いろんな班を転々としていた。もちろんBIGBOSSの1番のお気に入りで、2人で潜入する時は大体ジョンと行っていた。レナードにとっては羨ましくもあり、BIGBOSSとは違う意味で憧れの存在だった。だがあの惨劇でボスのヘリが撃墜されてから、生死は不明…恐らくもう…それ以上は考えなかった。俺はジョンの意思を継ぐ、あいつの無念を無駄にしない。レナードはそう考えていた。 そんなことを考えていたら、近くにいるのはオリバーとディビッドだけだった。あまりに神妙な顔だったからか心配されたが、9年前のことだ。といったら、そうか。と分かってくれた。 その時、近くにあった予備用の無線機が鳴った。3人は戸惑ったが、とりあえずレナードが応じた。 「こちらオセロット。悪いニュースだ。ミラーが捕まった。」3人は顔を見合わせた。副司令が…? 「だが安心しろ必ず助ける。9年の時を経て復活した、伝説の傭兵がな」
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