第5章  初恋って……?(続き)

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そして、やっぱりストレートに尋ねる。 「でも今は、どうして私を好きって思ったの?」 普通ならば、ここまで真っ直ぐな言葉を口にすることは躊躇われるだろう。 しかし、彼と一緒の空気感の中では、 これに特別、棘や刃が潜むようには感じられない。 そして、 「やっぱり、坂崎さんと一緒にいる居心地の良さは、 俺にとって特別だなって、実感したから。 空気を読まなくてもいいっていう居心地の良さはもちろんなんだけど、 それだけじゃなくて、ちょっと理屈っぽい事を言っても、 自然と同意してくれたり、普通に聞いてくれたりするじゃない。 でも、そういう人って、すごく貴重なんだ。 普通は、聞いてくれるのなんか、最初のうちだけ。 親しくなると、段々面倒くさがられるからさ。 でも坂崎さんって、昔から、俺のこういう話も普通に聞いてくれてたなって。 なんかそれだけで、すごく受け入れてもらえてる感があって、 俺なんかみたいな人間は、とても嬉しいもんでさ」 やっぱり彼からも、ストレートな言葉が返ってくる。
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