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「ねぇ、結城くん」
彼の答えを受け、私の気持ちは、なんだかすごくスッキリとしていた。
「私ね、正直なところ、あなたに対する感情が恋なのか
ちょっと計りかねてる。
でもね、一緒にいて居心地が良いのは私も同じだし、
このままサヨナラっていうのも、ちょっと寂しいなって思ってる。
だから私たち、少しゆっくりでもいい?」
そう言った私に、泳ぎがちだった彼の視線が真っ直ぐ向けられた。
「つまり、付き合ってくれるってこと?」
うん。
頷いた私は、彼に微笑み返した。
「でも、ゆっくりね」
うん。
ただでさえ居心地の良い彼との空間に、小さく温もりが宿った気がした。
そして同時に、なぜか私は、ホッとするものを胸に抱いていた。
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