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なんだろう、また別のマジックにでも掛けられたのかな。
いきなりの告白劇に、あれから私の頭は混乱に白くなった。
お蔭で、あの後どんな風に彼と会話し、別れたのか記憶が定かではない。
しかし不思議な事に、当初、感じていたような気の重さは今は感じられない。
むしろ、フワフワと夢うつつを漂うような、ある種の心地よさすら感じ、
自分の感情の掴みどころを見失っているような気がする。
だからだろう。
「……さん。坂崎さん!」
この日、何度目かに、こんな風に春香ちゃんに声を掛けられ、
「本当に、大丈夫ですか?」
こんなやり取りを、繰り返していた。
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