第5章  初恋って……?(続き)

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「あぁ、ごめん。大丈夫。で、えっと、何だっけ?」 「町田水道さんの見積もり、確認していただけました?」 「あっ、ごめん。今すぐ、やります」 そして、デスクの上の書類を探しだした私に、 同僚の設計士が、笑いを滲ませ声を掛けてくる。 「なんか今日のサカさん、らしくないね。 まるで、恋する乙女みたい。丸っきり、心ここにあらずじゃない」 そしてニヤリと笑われ、思わず苦笑が浮かんでくる。 しかし、 「私も、一応、まだ枯れてない独身女性ですから。 まぁ、そういう事にしておいてください」 さすがに若くはないので、こんな言葉をサラッと返しながらも、 胸の内では、ちょっと複雑。
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