第1章

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やはり3日連続鼻唄を歌い続けたからだろうか? ここ1週間青年が来ない。 すこしやり過ぎたか。人魚は遠くにある陸を見つめる。 「謝りに行くべき…か?」 人魚は首をかしげた。 ーーー*ーーー*ーーー 青年が来ない。 あれから2週間。青年が来ない。 さすがに人魚は心配になってきた。もし人魚を嫌いになったとしても、仕事をするために他の場所に船をだすだろう。しかし、青年の船の気配がまるでしない。というか人魚は数日前から青年の船がある場所を遠くから見つめているが、動く気配もない。 「歌のせいか…?」 寝込んでいるのだろうかと人魚は首をかしげた。しかしすぐに首をふる。 歌ならまだしも鼻唄程度なら1日も残らない。それに3日連続で鼻唄を歌ったことでだいぶ耐性がついたはずだ。最後に見たときは顔が青いくらいで仕事はちゃんとしていた。 人魚はちょっと涙が出てきた。 いつも他愛ない話ばかりする相手だが、いないと寂しい。
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