2章

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「授業中に入ってきて良いとはいってたけど、なんとなく入り辛い…」 中等部の校舎に着いたシアンは、予め伝えられていた教室の前に立ち、ノックをしようとしている状態で固まっている 「いやいや、なにもやましいことなんかないんだから…失礼します」 コンコンコンとノックをし、扉を開ける。 教室の中でちらほら聞こえていた話し声が止み、沢山の視線がこちらに向く。 「悪いなフィール、こっちに持ってきてくれ。」 教卓の前にたっている先生から指示をされ、プリントの束を持っていく 「フィール先輩?高等部闘技大会に出場していたフィール先輩ですか?」 1人の元気そうな少年がこちらを見ながら質問を投げかけてきた 「知ってるの?恥ずかしいなぁ、決勝でボロボロに負けちゃったの見られてた?」 「見てました!俺、剣術学科志望なんですけど、フィール先輩の闘技大会での戦いぶり見てから、魔法学科にも興味が出てきたんです!」 教室がにわかにざわつく。「あの人が」「決勝戦出てた先輩」「かっこよかったよね」などの声が聞こえてくる。 「(は、恥ずかしい!だから入りたくなかったんだよー!)」 目立つことがあまり得意ではないシアンは、羨望の眼差しをこそばゆい思いで受け止めていた。すると 「ここにはフィールのファンが沢山いるみたいだな、どうせならフィール先輩の授業を受けてみたくないか?」 などと先生が言うではないか
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