60人が本棚に入れています
本棚に追加
第7章 バツイチ事情(続き)
決して、特別な会話があるわけでも、特別な料理があるわけでもない。
だが、やっぱり彼と向かい合う食事は、居心地が良いと改めて思う。
こうして食事を楽しんだ後、少しだけお酒を交わし、
入浴を済ませて、ベッドで本を読んでいる彼の隣に滑り込むと、
すぐにフワリと抱きしめられた。
「うわぁ、ホカホカ」
梅雨寒の続いているこのところの陽気に、
少し、ゆっくりと湯に浸かっていた私の首筋に顔を埋めて嬉しげに呟く。
そして、
「もっと温かくなっちゃっても平気?」
腕を緩めて顔を覗き込み、そう言って小さく唇を合わせる。
「じゃあ、少し冷めるまで待ってくれる?」
しかしそう言うと、わずかに拗ねたような面持ちになり、
「小悪魔!」
言うなり、唇をねっとりと塞がれた。
最初のコメントを投稿しよう!