第10章  臨時同棲

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「坂崎さん、ブロック・エステイトの木村さんって方から お電話ですけど……」 「えっ……?」 いきなり、借りているマンションの不動産会社からの電話に、 ちょっと訝しがりつつ電話に出る。 そして、文字通りにひどく驚いた。 「坂崎香奈さんですか?」 電話に出て間もなく、先方が口早に名乗った後で、なぜか確認をされる。 しかもそれに頷くと、受話器の向こうで小さく溜息が零れた。 「良かったです、ご無事で」 しかし、この言葉には大きく首を傾げるしかない。 「あの、どういう事でしょう?」 ところが次に返ってきた答えに、一瞬、声がなくなった。
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