第10章  臨時同棲

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「香奈、緊急って何があった?」 「もしもし」も無く、いきなり、ひどく心配そうな彼の声が訊いてくる。 しかし、それに苦笑する余裕は私にもなかった。 「うん。ごめんね、仕事中に。実はね……」 私は、抱えてしまった事情をかいつまんで説明した。 そして結果はもちろん、快諾がもたらされる。 「ありがとう」 断られはしないと予想はついていたが、やっぱりホッとする。 だが、それと同時に、大人の良識なるものが顔をだした。
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