第10章  臨時同棲

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「あっ、でも、ひと月ずっとじゃなくて大丈夫。 優子や朱里の所にも行けると思うから……」 しかしそれには、少し不満げな声が返ってくる。 「そんな遠慮なんか要らないよ。俺は、むしろ香奈といられて嬉しいし」 その上、今夜はなるべく早く仕事を切り上げて、持って行く荷物を 一緒に運んでくれるという。 ありがとう。 素直に、この言葉しか浮かばなかった。 そして、そんな彼の言葉に心がすごく落ち着いて、 ようやく安堵の息が零れ出た。
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