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「ねぇ、結城くんの同僚とかにイイ人っていない?」
「そんな、私、彼の職場の人はおろか、どんな所かも知らないし……。
っていうか、朱里、結婚したいの?」
だが、明らかなる愚問を口にしたらしい。
「当たり前じゃない! もう私たち、暢気に『いつかねぇ』なんて
笑ってられる年じゃないんだよ?
特に初婚の身には、この年齢、崖っぷちなんだからね!」
いきなり鬼気を目に浮かべ、
「もう空気読めない結城くんに、感化された?」
まるで恋愛ボケしたかに、呆れ口調で溜息をつかれる。
ところが、こんな会話が、思いがけぬ不安を招く事になった。
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