第1章

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その女子高生は、何に於いても完璧だった。 容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。おまけに性格もおしとやかで、誰にでも優しい。 世の男子高校生が狙わずにはいられない程の、理想の女子だ。 ただ、前述の『世の男子高生』は、あくまで、 その女子生徒の事情を知らない男子高生である。 知ったら、好きにはならないだろう。 何故ならその女子生徒は、 死した姉を装った妹なのだから。 いや、好きになる人もいるだろう。 自分の様に。 その時は存分にハマるだろう。 暗く冷たい 絶望の淵に。
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