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「そう楽観視もしてられへん。もし岩雪崩文の自我が一生戻らへんかったら?」
「ブラックジョークすぎて笑えないよ」
「ジョークやあらへん。可能性はあるで。それに万が一、自分の肉体が消滅してたら?」
「不吉なこと口にしないでくれる? 怖いから。それはそうと、なんで岩雪崩さんの自我は気を失ったの?」
「自分が原因作っといて、よう言うわ」
「ふぇ!? 僕が原因!! 覚えがないよ」
「ま、無理もあらへんか。手順を踏んで説明したるわ。まず、ここにくる前のことから思いだしてみ」
「確か……。んんん。えーっと、放課後の教室に岩雪崩さんを呼びだしたんだ。下駄箱に手紙を入れて」
「黄昏の教室にて、一輪の花を待つ。キモイタイ内容で、しかも場所も時間もわかりにくい文章やったな」
「それは反省してるよ。思い返すだけで恥ずかしい。あれ? おっかしーな。かなり文学チックな内容で書いたつもりだけど」
「漏れとるし。ま、ともかく運よく時間も場所もわかった岩雪崩文は教室にきたわけや。実は、たまたま教室に忘れものをとりにきただけ、とは口が滑っても言えんな。しもた。漏れた」
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