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「衝撃の事実だよ。ま、それは置いといて。僕は自然な素振りで、逃げられないよう岩雪崩さんを壁際に誘導したんだ。それから、壁にこう、ドンっと片手を突いた。もちろん、かっこよく告白するために」
「かっこいいどころか、逃げられへんようにとか犯罪スレスレやんか。ムッツリちゃうやん。性欲にまみれた野獣やんけ! おっかないわー。怖いわあ」
「いや、あ、あのときはテンパってんだ。ところで、結局、原因はなんなの?」
「あ、そうやった。壁ドンや壁ドン。壁ドンが原因なんや」
「もしかして僕の壁ドンにびっくりして」
「ちゃうちゃう。自分みたいなヒョロそうなんにビビるか」
「そこはビビって欲しかった」
「なあ。ここまできて、まだ思いだせんか? どうも記憶に齟齬が起きとるみたいやな。あるいは脳みそが都合よく勝手に捏造しとるか」
「じれったいなあ。早く教えてよ」
「できれば、自分で思いだして欲しかったやんけどなあ。もー邪魔くさいし、ええか。教えたる。自分は壁ドンしたんやない。ホンマは乳ドンしたんや!」
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