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「好きです。僕とつきあってください」
「すまんけど、俺、そっちの趣味はないねん」
「そっか。岩雪崩さん、あっちの趣味だったんだ。ごめん。気づけなくて。けど、岩雪崩さんの新たな一面を知ることができたし。むしろ収穫じゃないか。喜ぶべきだ。というか、なんか岩雪崩さんの声低っ。しかも関西弁、しかも似非、しかも俺? 岩雪崩さん、いつのまにオレオレ系関西女子になっちゃったんですか?」
「心の声ごっつ漏れとるで、自分」
「え、ホントに?」
「ホンマや。現にペラペラしゃべってたやん。ま、ここ精神世界やからしゃーないけど。新世界とちゃうで。精神世界でっせ。大事なことやから二回ゆーたで。聞いとるか?」
「でも、まさか岩雪崩さんがそっちの趣味だったなんて。こんなとき、僕はどんな顔をすればいいの。明日からどう接すれば……。そうだ女装、しよう」
「京都に行くみたいなノリで言いな! なんしか、いっぺん落ち着きなはれ。自分、色々と思い違いしとるさかい。とりあえず目ぇ開けてみいや。せやないと説明もでけへん」
「あ。そういえば、岩雪崩さんを見つめながら告白するの恥ずかしいから目を閉じていたんだった」
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