バックドロップ超インナースペース

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「なんだって! ちょっ、逆にヤラしくなってますから。これじゃ警察二十四時的な番組に出てくる露出狂と変わんない。しかも僕だけモザイクって! きみもモザイクかけなよ」 「モザイクは気に入らんか? せっかく配慮したったのに」 「こんな中途半端な配慮いるかー! だいたい、これ、だれに対する配慮だよ」 「そんなん、岩雪崩文に決まっとるやん。他にだれかおるか?」 「げぇ! 岩雪崩さん、ここにいるの! 早く言ってよ! すでに僕の裸体を岩雪崩さんにさらしちゃったじゃないか。うああ、最悪だあ。嫌われた。嫌われたに違いない。ん。待てよ。でも、僕が裸ってことは、つまり彼女も裸なんじゃ」 「自分ムッツリか。ムッツリはあかん。認めん。もっとこう、ワイルドでスポーティな男性的魅力に溢れたボーイがええねん、俺は。それと、岩雪崩文はここにおらん」 「ちぇ。いないんだ。ちと残念。それより、さっきのは聞き捨てならないな。ムッツリだって男性的魅力だ。断言してやる。清き心に秘めたエロチズムはまさに愛。愛はエロス」
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