6人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんなジョークを怖がる僕じゃないよ」
「いや、冗談やなく」
「ハハ。急に深刻ぶった声をだしても無駄だよ。はあはあ。心臓が激しく脈打ってる。なんか緊張してきた」
「このヘタレ! ……まあええ。自分は今、自我、言いかえると、魂だけでこの世界に存在してんねん。言うとることわかるか?」
「なんとなく。要は、実態がないってことだよね」
「そういうこっちゃ。せやったら、もうみなまで説明せんでもええな。自分は今まさに、ちょうど魂と肉体が分離しとる状態。つまり、肉体のほうは現在進行形で死んどるわけや」
「あわ、あわわわわわ。マジでヤバイじゃないか」
「冗談ちゃう言うたやろ」
「早くここから出ないと。岩雪崩さんのメルアドも知らないまま死にたくない!」
「他にもっと生きる理由あるやろ。チョイうれしいけども」
「ともかく。ここから出る方法を教えてよ」
「それがやな、残念ながら、今は無理なんや」
「ええ! どうして」
「岩雪崩文本人の自我が気い失っとるせいや。超自我の俺じゃ、どないもこないもすることができん」
最初のコメントを投稿しよう!