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中越奏は『カールマイヤー』を聴きながら、バスが待っている集合場所へと轟木蓮と歩いていた。
「いやぁ、今日は遠足だなぁ。残念ながら奏は他クラスだから、俺と海音とは別行動だな。」
「うるせぇよ。てか男子のメンツにアイツもいるんだろ?」
蓮はきょとんとしている。本当に鈍いなと思いながら、奏は「佐々木だよ」と言った。
「アイツ…昨日海音に接触を図ってた。気をつけろ。昨日の今日だ。何かされるかもしれないしな。」
正直、“何かされる”というのは男の勘だ。だが、その勘は嫌なものであり、海音に対してしか働かない。理由は未だに分からないが。
「佐々木はそんな女垂らしじゃないと思うぞぉ?」
「どうだろうな。15、16の男なんて年中サカってるだろ。」
「なるほど。奏は毎日サカってるのか!」
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