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「へぇ、いい曲じゃないか。まぁ、人によっては不快に感じそうだが、僕は嫌いじゃない。」
佐々木が蓮に便乗すると、最初は嫌がっていた周りの生徒も次第にその曲に夢中になっていた。
「何か慣れてくると…いいかも。」
「俺も慣れてきたわ。」
男子はすでに耐性が付いてきたようで、『カールマイヤー』の話題で持ちきりだった。
私を含む女子はまだ聴き慣れていないからか、背筋にぞくっと冷たいものがきては肩を震わせる。
「ちょっと蓮消してよ!」
限界がきたのか、持田真衣(モチダマイ)が蓮に注意する。蓮は落ち込んだ子供のように唇を尖らせ、曲を止めた。
ようやく耳につんざくあの音が消え、私はほっと胸を撫で下ろした。
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