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「よ~し、全員バス乗ってますかぁ。」
担任の声がバス中に響き渡る。談笑していた男子は喋るのを止め、担任の方に顔を向けた。
「それじゃ、出席を取ります。蒼井(アオイ)!」
担任が点呼を取ると、蓮が私に近付いてきた。
「奏から連絡きたんだけどよ。バーベキュー終わった後の自由時間に合流しないかだってよ?」
「えっ?」
蓮の携帯の画面を見ると、確かに奏からそう送られていた。昨日の件のことはもう気にしていないだろうが、私は奏に謝れていないため若干の気まずさがある。
「…海音?」
「え、ああ…うん。私は…大丈夫。」
結局、私は反射的にその提案に乗った。下手に否定するよりはマシだったからいいのだが。
だけどその時、背後から鋭利な刃物を突き立てられたような悪寒を感じた。振り返るとそこには男子と話している佐々木がいた。
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