第11章  痛む胸(続き)

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第11章  痛む胸(続き)

今夜は、簡単にジャガイモのミートソースグラタンと、サラダ。 それと、明日はお休みということで、赤ワインを開ける事にする。 そしてその席で、極自然に私は、今日のビックリ再会の話題を口にした。 「えっ? 佐々木って、あの佐々木くん?」 当然ながら彼も、この偶然には驚いた。 そのあまりにも予想通りの反応に、つい私の口も軽くなる。 「そうなの。でも、さすがに名刺渡されただけじゃ分からなかった。 だって、17年ぶりだもの。 同窓会なんていう前提でもなければ、面影だけじゃ分からないわよね」 そして私は、彼の相変わらずの容貌と、その日に交わした会話を 簡単に話していく。 「だけど、なんで彼が香奈のことを知ったの?」
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