episode174 酔狂サーカス①

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「ひどいよ……」 「違うって言うのか?」 人前で凌辱され それでもこの人に逆らうことさえできず。 快感に垂涎しながら 己が汚した床が 否定できない何よりの証拠だ。 そう言わんばかり 征司は指差し笑った。 それから 壁に掛けたコートを手にとると 「あ……」 何食わぬ顔してそこに 幾通もの手紙を落とした。 「読むなら拾って読め」 ――1通じゃなかったんだ。 全身が震えた。 「自分が汚した物をな」 どれも燃やされた手紙と同じ 丁寧に閉じられた純白の封だった。
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