192人が本棚に入れています
本棚に追加
やがていやらしい水音が
湧き上がる地下水のように響き出す。
「聞こえるか?」
「ンン……」
「俺の一番好きな音だ」
耳元に囁きながら
征司は僕の額に張り付いた前髪を払った。
たっぷりと湿気を含んだ
汗をかいていた。
だからかな。
征司の指も肌も唇も
いつも以上に
僕に吸いつくように密着して。
「やっぱりおまえは一生俺なしじゃいられない。そうだろ?」
「……はい」
片時も放れない。
最初のコメントを投稿しよう!