帰還

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「そうです」 「あの遠く離れた星からやって来たのか」 私は長い時間をかけてやって来たその宇宙人たちに少し感銘を受けた。 「地球という星がとても素晴らしいという情報を得ましたので」 「それはそれは」 なにかとても友好的な印象を受ける宇宙人たちだ、私はそう思った。 「どれくらい掛かったのかね?」 「30年です」 「片道30年。それは本当に長い旅を」 「地球を見れるのなら、短い時間です」 私は彼らの話をもう少し聞きたくなってきた。こんなことは珍しい。普段は、すぐに追い返すのだが、彼らは悪い奴らではなさそうだ。 「具体的には何を見たいのかね?」 「よくぞ聞いて下さいました。私たちは地球の自然と地球人の暮らしぶりを見るのが目的です。地球は遠く彼方から見ても、ひときわ美しい。そんな地球に降り立ってみたいのです」
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