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レナードとカルロス
惨劇の生存者、カルロス救出から1週間が経過し、カルロスはまだ痩せ細っているとはいえ、やつれはなくなり、自由に動けるまで回復していた。
彼は誰よりも熱く、強い精神を持ち、仲間を大切にする。そんな昔のカルロスに戻ってきた。その気のいい性格もあり、すぐに皆と仲良くなれた。
その日の夕方、オリバーとディビッドは甲板掃除だったので、仕事を終わらせていたレナードはカルロスと共にいろんな昔話をした。
BIGBOSSの「師匠との決別」のピースウォーカー事件、平和を願う少女パス、裏切り者であったパス、懸命に戦っていたアマンダ、チコ。平和の日のイベントの為に副司令が音痴な歌声で歌を練習していたこと。釣り、誕生日パーティー、サッカー、数えきれない思い出だ。
「いろんなイベントの企画を副司令から頼まれていたジョンは大変だっただろうな…」
レナードがそう言うと、カルロスはかつての仲間を思い出したのか、ジョンはどうなったんだ?そう聞いてきた。
レナードは「分からない。」と伝えた。あの惨劇の時にボス達と同じヘリに乗っていて、そのヘリは墜落。チコ、パスは死亡し、生存が確認できたのはBIGBOSSとミラーのみ。つまり死亡している可能性が非常に高いからだ。彼を陰で慕っていたカルロスには、とても言えない。
そして話はヒューイのことになろうとした時、副司令の声がスピーカーでマザーベース全域に響いた。
「これよりミッションを開始する!全員準備を始めろ!」
もちろんミッションというのはボスの任務、準備はその支援のことだが、どうやらカルロスもそのことだと分かったようだ。
実はこの副司令の「号令」は9年前のMSF時代からあった。そのためカルロスでもすぐ気付くことができた。
「俺はどこを手伝えばいい?」カルロスがレナードに聞いてきた。彼はまだ退院したばっかで、まだ班に配置されていなかったのだ。
彼は9年前は実践部隊に属していたため、コードネーム”クィークェグ”のヘリに乗りボスの目的地の上空で待機、場合によっては突撃して戦う戦闘班が適しているが、まだ彼は?せ細っていて、とても戦闘は無理だ。なのでレナードは待機してても大丈夫と言ったが、手伝いたい、俺もボスの役に立ちたい、そう強く言われたため、とりあえず司令室へ連れて行く事にした。
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