第三章 #2

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第三章 #2

「主任……?」 私が部屋にいることに気付いていないか、はたまた興味が無いのか。 呼び声に反応する様子も無く、彼はデスクに向かいひたすらにペンを走らせている。 そのうつむく真剣な眼差しは、女性社員が騒ぐのも少し納得出来るというか…… 斜めに分けられた前髪に短めの襟足。 『あの黒髪がいいのよねー』 なんて、騒いでる子もいたっけな…… キリッとした眉の下、切れ長な目が瞬きを繰り返す。 『あの冷酷な目で見つめれたら……、ドキドキしちゃって妊娠しちゃいそう !』 いや……、しないしない。 顔も小さい、鼻も高い……肌も指も綺麗 お?よく、見たら涙ホクロあるじゃん。 セックシー !! 身に付けてるスーツも靴も時計もブランドモノだしいうことなしのイケメンだわ。 なーんて……、 外見百点、内面マイナス百万点 はい、不合格。さようなら。
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