第三章 #2

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んうっ…? ここは私の部屋じゃない。 家具の配置も違うし、 なにより匂いが違う ユラユラと揺れる視界の中に、私を覗き込む主任の顔が入ってきた。 「頼むからベッドで吐くなよ?」 ここは主任のお家なんだ。 その言葉でそう察した。 「はーい」 いつもは私をコケにしてる主任が私に“頼むから”なんて…この上なく気分がいい。 ん…? 「芦名……亮平……」 ベッド横のテーブルにある名刺の束に目が止まる。 「主任……亮平さんって…、いうんれすね~?」
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