第三章 #2

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ふと、ペンを走らせている彼の左手薬指に目を向ければ そこにはキラリ光る華奢なシルバーリング。 社内の噂では大層美人な婚約者がいるとか。 こんな総合得点マイナス百万点な男を選ぶなんて……、その婚約者さんも見る目が無いのか。 本性を知らないとしたら……、悲惨過ぎるよねえ。 即、破局だよ。 お前の真の姿をバラされたくなければ会社を辞めたまえ鬼上司め。 むっふっふ…… 「随分、楽しそうだなあ……?」 「っ……!?」 完全に自分の世界に入っちゃってて、主任が私を見ていることに気づかなかった。 「いや、ちっとも楽しくはないです!」 すみません、内心アナタをけちょんけちょんにこき下ろしていましたとは言えず。
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