620人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「わ、わかりましたよ!払いますよ!!いくらなんですか !!」
少し驚いた顔をした主任がデスク引き出しから計算機を取り出す。
「定時が5時……、今は9時を回っているから。四時間の残業。俺の手取りがこんなもんで……それを日割りにして……まあ、こんなとこか。特別に端数は切ってやるよ。」
左指がカタカタ舞い踊る計算機の上。
弾き出された数字に私は目をギョッと見開いた。
「こ、こんなに……?」
それは、私の一月の家賃分に相当する金額だ。
最初のコメントを投稿しよう!