第三章 #2

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「っ…、なんでここなんですか…?」 平日だってのに繁盛してる様子の居酒屋、隅のテーブルで向かい合う私と主任。 どーせ、タダ飯ならもっと高そうなとこ行きたかったのに。 「彼女でもないお前と高級レストラン行く意味がわからん。」 「いや……まあ……、」 確かにそうですけど……。 目の前の主任はゴクゴクと一気に一杯目のビールを飲み干すと、店員さんを呼んでツマミ等の注文を始めた。 ネクタイも緩めちゃって、こんなにストレスフリーな顔も出来るんだ… まあ、所詮主任も人の子か。 「それと生ふたつ」 「ええ!?」 私の一口しか減ってないビールをチラッと見てから主任がそう言い放つと“あいよっ”と、威勢のいい店員さんは厨房の方へかけて行った。
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