第七章

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「ええ……善処します……はい……」 主任はどうやら電話中で 報告書を両手に、扉前に立ちつくす私を気にする素振りもない。 これは実についている…… このまま机に放置して立ち去ろう。 お忙しくしてらっしゃいますし ? 思い立ったが吉日。 スタターっと、足音をたてない私の動きも慣れたものですよ。 「失礼しまっ……」 「ゴホンッ…… !!」 「っ…… ……!?」 主任のあからさまな咳払いに 私の心臓がドキーッと跳ね上がる。 ロボットみたいな動きで振り向くと、 “そこから動くんじゃねえ” と、彼の背中が語っていた。
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