第七章

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苛立ちを隠せず肩をワナワナと震わせる私を見て、主任は満足そうにフッと笑みを溢す。 そして、私が先程置いたばかりの報告書に目を落とした。 「…… ……どうやら、お前は細胞の段階からやり直した方がいい様だ。」 「え…… ?」 意味がわからず首を傾げると、バサッと放り投げられた報告書が床へ着地。 その行為に目を疑う私の足元で、痛いよー痛いよーと、泣声が聞こえた……気がした。 「三行目……、十二行目。」 「っ…… …… ?」 慌てて報告書を見直すと 主任の言った行数には見事に誤字と脱字が。 それを、 こんな一瞬で判断するなんて…… 何度も確認したハズなのに……情けない。
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