第八章

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一人脳内突っ込みのやり過ぎで酸欠状態に陥った私は、グラスを手に取りワインをグビッと一気飲みした。 「ええ……?結衣、お酒ダメじゃなかった ?」 「飲める様になったんだ~。最近はよく家で晩酌したりしてる。ワインは初めてだけど……、スッキリしてて美味しいし!」 「へえ……初耳。」 芦名主任に飲み方を教わった……とは、言えませんよね……。 「なっちゃんはさ~、普段どういうお酒飲むの ??」 私との会話が終わるのを見計らったのか、黒木くんがニコニコと頬杖を付きながら前のめりで夏に話しかける。 一瞬、ムッと怪訝な表情を見せた彼女だったが 「ん~、梅酒とか?」 「あ、俺も好きだよ~。今度良かったら……」 と、形ばかりの会話を弾ませている。 まあ……、今日の集まりはこの二人……いや、黒木くんの為にセッティングされた様なものだしね。 会計も黒木くんのポケットマネーから そう、大倉くんが言ってたから…… 私は私でこの場を楽しむとしましょうか。
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