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第六章 #2
「その柳の下の幽霊は……、取り付かれても良い位に可愛い人だって噂っす。」
「まったまたー。さすが、営業部の期待の新人は言うことが上手いねえ ?精根尽き果てるまで呪ってあげようかなー。」
「ええ。喜んで。こんなに美しい人にならっ…… て、痛っ!?」
首を斜めに倒した黒木くんが、私の頬を撫でようと伸ばした指先。
その指先は、大倉君の猫みたいな反射神経の良い右手により直ぐに弾かれた。
「いって~ なあ!!何すんだよ、大倉 !!」
「お前こそ先輩に失礼だろ !?」
私の目の前でバチバチ睨み合う同期の二人。
珍しく大倉君も強気だ……
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