617人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
第十章 #2
「お礼に今度大倉君の好きなものなんでも奢るから期待しててっ…… !さ……、帰ろうか。」
「……今度っていつですか ?」
「ちょ…… !?」
退室しようとドアノブに手をかけた瞬間近付く足音
突然、
彼が私を後ろからフワリと抱き締めた。
自身の余裕の無さに忘れてたのかもしれない……
年下君の無邪気さを
「大倉君っ……離して……」
「今は両手空いてるんですから……、突き飛ばすなりしたら良いじゃないですか。」
「…………」
彼の言う通り。
大倉君の両手は私の腰元に回されていて、逃げる事なんて容易な程ソフトタッチ。
今は何故か……
異性の温もりが心地好くて堪らない。
だから……、私は彼を振り払う事を躊躇っている。
最初のコメントを投稿しよう!