第十章 #2

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第十章 #2

「お礼に今度大倉君の好きなものなんでも奢るから期待しててっ…… !さ……、帰ろうか。」 「……今度っていつですか ?」 「ちょ…… !?」 退室しようとドアノブに手をかけた瞬間近付く足音 突然、 彼が私を後ろからフワリと抱き締めた。 自身の余裕の無さに忘れてたのかもしれない…… 年下君の無邪気さを 「大倉君っ……離して……」 「今は両手空いてるんですから……、突き飛ばすなりしたら良いじゃないですか。」 「…………」 彼の言う通り。 大倉君の両手は私の腰元に回されていて、逃げる事なんて容易な程ソフトタッチ。 今は何故か…… 異性の温もりが心地好くて堪らない。 だから……、私は彼を振り払う事を躊躇っている。
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