第十章 #2

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「…………ごめん!!!」 「っ………… !?」 咄嗟に大倉君の胸元を押し返す。 早めの瞬きを繰り返す彼に私はもう一度「ごめんなさい……」と、声を漏らした。 「宮瀬先輩…… ?」 「私……今、目を閉じた時に思ったの……。今、ここにいる人が大倉君じゃなかったとしても……」 支えてくれる人が彼じゃなくても 私はそれに甘えていたんじゃないか、と。 どうしようもなく最低だけど、それが本音で…… 私を好きだと言ってくれる気持ちに答えることは……どうしても出来ない…… 「ははっ……」 「…… ……?」 「先輩は……、本当にお預けが好きですね ?」
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