第十章 #2

6/7

617人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「先輩ならきっと大丈夫です。」 「っ…………」 彼はまた「大丈夫」と、強く言ってから くしゃくしゃな笑顔で深く頷いた。 私を励まそうと選び抜いたんだろう なんの確証もないその言葉が 胸の中にジンワリ広がってゆく。 「ありがとう……」 「こちらこそ……、ありがとうございます。」 「ふふっ……なんで大倉君がありがとうなの ?」 「本当だ……僕、振られたのに。ははっ…… 変ですね。でも……、不思議とあまり悲しくないです。強がりとかじゃなくて……先輩の事心から応援してるんです。」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

617人が本棚に入れています
本棚に追加