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第十三章 #2
そんな私の視線に気付いた社長がクルリと振り返ると、興味津々にこちらを見ていた野次馬達が一気に散らばってゆく。
やっぱり夢じゃない……
私……、何かしただろうか ?
いや、何もしてなさ過ぎて…… ?
『ちみ、いらないよ』
とか、言われちゃうのかな……
ゴホンッと咳払いが聞こえて、私の肩がビクッと揺れる。
目を閉じて、社長の次の言葉に全神経を集中させていると
「今回のデザインコンペに君がまだ参加していないと小耳に挟んでな。それで……、様子を見に来たんだよ。」
「へ…………」
そんな思いも寄らない切り口に、私は間抜けな返事と共に呆然とした。
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