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彼女は完璧だ。
彼女と出会って3か月がたった。
たった3か月だけれど、窓から差し込む木洩れ陽に微睡む彼女に愛しさが込み上げる。
我慢できなくなった俺はそっと彼女の柔らかな頬に触れた。
頬に触れたのがくすぐったかったのか、彼女は微睡みながら小さく首をふる。
その様子を見ながら思い起こす。
そう、彼女はいつも優しい表情をしている。
どんなときも優しい表情でじっと見つめて、俺の話を聞いてくれる。
ときには、柔らかい声で相づちをうつ。
彼女に話すと、嫌な出来事も案外そうでもない気がしてくるから不思議だ。
俺がそっと手を差しのべると、キュッと握り返してくれる。
彼女と手を繋ぐだけで俺は満たされる。
だから、彼女が涙するときは俺が守る。
俺の腕にそっと抱いて、泣きつかれた彼女が眠りにつくのを見守る。
そう、彼女が彼女らしくいられるように。
いい夢でも見ているのか、彼女の頬にふわりと笑顔が浮かんだ。
たまらなくなった俺は、そっと彼女の頬に口づけた。
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