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「哀しそうに笑うんじゃねえよ、大丈夫じゃねえから泣くんだろうが。何度も言わすな、お前の抱えてるもん吐き出せ」
「だから、俺は…」
「怖がるな。そんなに失うことが怖いか?」
「……っ、ちが」
怖いに決まってる。
「オレはお前を否定しねえよ。全部受け止めてやるから」
今までで一番優しい表情をされてしまった。心臓が跳ねるくらいカッコよくて身体中に電撃が走ったみたいになった。
「でも、帝はきっと俺を気持ち悪いって思う。ドン引きする」
「しねえよ」
「するんだよ、俺でも自分が大っ嫌いになる」
「とりあえず言ってみろよ」
「だから、言ったら嫌われるかもしれないんだって」
何故だかちょっとした口喧嘩に発展していた。
「嫌わねえよ」
「そんなの分かんないじゃん」
「…あーっ面倒くせえ!さっさと言え。キモいかどうかはオレが決めてやる」
あーもう、どうしてこんなことになっちゃうんだよ。
でも、どうしてかちょっと嬉しいんだよな。
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