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とりあえず俺たちはその場に座っていた。俺は体操座りで帝を胡座を掻いて座る。
「すげえ緊張してるんだけど、ほら見て」
「震えてんのな。貸してみろ」
「な、なに」
震えていた手をどうしてかギュッと握りしめられてしまった。違う意味で緊張する俺はカァ…と顔に熱がこもる。
か、勘弁してくれ。
「恥ずいんだけど…」
「ふっ、ウブだな」
「余裕ぶって笑うな」
くそっ、帝本当は薄々気付いてんじゃないのか?
赤くなった顔を見られないように下を向いてブツクサと文句を立てる。もう、こんなんじゃあ折れるしかないじゃん。
「観念します!話すよ。俺のこと知ってほしい」
「好きなだけ話せよ」
俺は結局帝のペースに飲まれてしまったのだ。
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