第1章

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なにやら僕の通っている学校には、僕と同じ苗字の天才が居るらしい。最近噂が流れてくる。 篠原さんステキーだとか、篠原さんイケメン!とか、他のクラスから聞こえてきた時、僕はビクッと驚いてしまう。よくその事をからかわれるようになった。 僕は何処かの篠原さんにいじめられてる気がした。 家に帰ると、見た目だけはいい僕の姉が居た。 テストの点なんかも良いけど、美術部に入ってて絵も凄く綺麗に描くけど、まさか姉が噂の篠原さんな訳は無いだろうな。 疑ってみたが、全くそんな気はしなかった。 だって、姉は性格が悪い。 「おい、何ジロジロ見てんだよ」 「……何でもないよ」 ふいと目線をそらすと姉もすぐテレビに顔を戻す。ソファーに寝そべって、おっさんみたいだ。 やっぱりこんな姉が素敵ーとか、騒がれるわけないよな。 僕は部屋に戻り、噂される篠原さんとやらを想像した。
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