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「なんの冗談ですか?」 「由香ちゃん、ライブによく来てくれてるよね」 な、なんで 「売れてない時からずっと」 「…」 「実は…引かないでよ… 知ってて近づいた」 脳内パニック中 大ファンのショウヤくんに 好きだと言われ 知ってて近づいたなんて事も言われ なにがなんだか分からない 「あの…」 「引いてる?」 「よく分からないんですが」 「これ、由香ちゃんがくれたお守り」 それ、昔作ったやつ 「これ渡してくれた時 絶対にショウヤくんは負けないよって そう言ってくれたの覚えてる?」 「はい、ダンス対決の時ですよね」 「あの時、気持ちが負けてたんだ だけどこれを渡してくれた由香ちゃんの目が キラキラしてて、すっごく力が沸いてきて 負けてらんないって思えたんだ あの時のバトル誰もが俺が負けると思ってた だけど勝てたんだ それから俺の大事なお守りになった」 ただ頑張ってほしかっただけだった 投票予想ではショウヤくんは負けてたから 直接渡して頑張ってって 言いたかっただけだったのに ずっと大切にしてくれてたんだ 「でも、それで好きって…」 「あれからずっと気になってたんだ 見てたの気づいてなかった?」 「まったく…」 「だろうね 病室で会ってもクールだったし」 かなり無理してましたけどね 「他のメンバーのファンなんだろうなって だけど、やっぱり諦められなかった」 いやいや、あなたの大ファンですよ 「由香ちゃん」 「駄目です マネージャーさんに怒られますよ 今は大切な時なんですよね」 「そうだけど 俺はアイドルじゃないし 恋愛は自由だって思ってるし」 コラコラ、近い 仔犬みたいな目で見ないで 「俺の事も少しずつ見て」 仔犬だぁー ダンスしてる時と別人だー ってか、あなたしか見てませーん
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