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「突然お伺いして申し訳ありません
西郷 虎之助会長の弁護士をしております
坂本と申します」
西郷さんの弁護士さんが私に何の用？
「伊達 由香様
西郷会長があなたに全ての財産を譲ると
遺書を残しておられました」
遺書？財産？
「つきましては手続きを」
「待って下さい、なんで私が？」
「天涯孤独だった会長は
あなたを娘のように思ってらっしゃいました
嫌な顔せず話し相手になってくださったり
時には厳しく意見を言ってくださるあなたが
家族のようだと…
伊達様が相続するのは
西郷会長の個人資産全てとなります」
「まっ、待って下さい
困ります…
私は看護師としてお世話をしてたので
そんなつもりはありません
あの、大変申し訳ありませんが
相続は放棄させていただきます」
「一生働かずに暮らせるんですよ」
「私は看護師という仕事に誇りを持ってます」
「…西郷会長の仰る通りの方だ
会長はあなたなら放棄すると言うだろうと
ですが、会長が他人に
これ程興味をもたれたのは初めてなんです
ですから、会長の思いをお受け取り下さい」
そんな…どうしよう
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