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―孤独なカラス―
カラスが死んでいた
生きた証拠の朱殷を流した
カラスが死んでいた
お前は誰にも助けてもらえず
見て見ぬふりされ続けた
お前が消えても仲間は気づかぬ
お前は可哀想だ
私に似て
お前は可哀想だ
―坊や―
夕陽に映る子供の影
夕陽に映る坊やの狂った影
可愛らしい御手手は血の色
可愛らしい御手手は罪悪の色
坊やは泣く
坊やは泣き崩れる
坊やの泣き崩れる姿は態とらしい
坊やの泣き顔はピエロの裏顔
―学校の廊下―
誰もいない学校
誰もいない廊下
寂しい感情が残る
悲しい感情が残る
誰もいない廊下は美しく日が差す
白く輝く廊下はベールのように
ヒラヒラとヒラヒラと踊る
ヒラキラとヒラキラと日が差す
―言葉―
詩の言葉が生まれる
詩の言葉を 白紙に流れ書く
言葉が生まれ過ぎて 書き止まる
何日か経つ 書き始める
何分か経つ 書き止まる
文字の消し書き繰り返して 書き始める
何ヶ月か経つ 言葉は成長する
何年か経つ 言葉の成長は止まる
―金魚―
池に金魚が遊んでいる
金魚の尻尾は綺麗な羽衣
透き通った 鮮やかな紅
金魚を手に掬い取り
眺めながら 捻じ殺す
何を思い浮かべ 捻じ殺す
何を思い感じて 捻じ殺す
真っ赤な御手手で 壁に殺した金魚を描く
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