トロけるようなキスをして――(穂高目線)

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 俺の手を温めようと、撫で擦っている手を取り、車へと引っ張って歩いた。 「明日、大学は?」  ホストの話は、どうも答えにくいものがあるし、何より、千秋の顔色が冴えない。故にさっさと話題転換をしてあげた。 「えっと、午前10時から講義が……」  ちょっとだけ困った顔をしながら、助手席に乗り込み、たどたどしく答えてくれる。 「それなら、お泊り決定だな。覚悟しろよ」  アサイチだろうが、ゴゴイチだろうが、どっちにしろお泊り決定だったけどね。  クスクス笑いながら、エンジンをスタートし、マンションに向けて闇夜に、車を走り出した。
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