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「分った、甘めにしておくよ」
「ありがとう、ございます……」
その笑みにつられて、微笑み返しながら答える。
千秋と一緒にコーヒーを飲むだけで、こんなにも気持ちがフワフワしてしまう。その後の事を考えたら、どうにも落ち着かなくて、ドジをしそうだ。
ケトルに水を入れ、コンロにかけながら、気を引き締めた。
付き合う前に思いきり、恥ずかしいところばかりを見せてしまった自分。
千秋に連日付きまとったせいで、風邪を引き、彼の家にてお世話になったり、その礼をすべく、キスして抱きしめた途端に、お腹を鳴らしてしまったり。
挙句の果ては、俺の風邪を貰って千秋が寝込んだ時に、早く良くなってもらおうと、栄養ドリンク12本全部を飲ませようとしたミスは、今となっては穴があったら入りたいレベルである。
これ以上バカな事をして、嫌われないようにせねばと、背後にいる千秋をチラリと見たら、ぼんやりした顔して、じっと俺を見つめていた。
もっともっと、俺を好きになってほしい――
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