79人が本棚に入れています
本棚に追加
「……おっと、随分と今夜は大胆だね。誘った甲斐があったようだが、タイミングが悪い」
「(。´・д・)エッ!?」
苦笑いを浮かべ、千秋に見えるように手元を見せてやる。コーヒーフィルターに粉砕された、コーヒー豆を入れようとしていた瞬間だったため、タイミング悪く、それがキッチンの上にこぼれてしまったのだ。
「わっ、ゴメンなさいっ」
布巾で、こぼれてしまったコーヒーの粉を拭いていると、大きな瞳を揺らしながら、何度も謝る千秋。
「抱きつかれるのも謝られるのも、千秋にされる事は、何もかも新鮮に感じるな。胸の中が、じわっと満たされていくよ」
キッチンをキレイにしつつ、横目で謝り倒す千秋を見ていたせいで、ガマンが出来なくなってしまった。本当はもっと、後にしようと思っていたんだが――
まっすぐな黒髪をまとう、後頭部に手を伸ばして引き寄せ、強引にくちづけた。
「ん……っ」
最初のコメントを投稿しよう!